空白の「数年後…」
トキはまさに世紀末
儂は先ずカイオウの死歿を假に2000年末と定め、そこからそれ以前の事件の時期を逆算し、年表を作ることにした。
何故カイオウの死歿を2000年末に定めたのかというと、これが限界だからである。カイオウは「第183話 伝説の血脈!!の巻」で「新世紀創造主と/なるのだ!!」と叫んでいたが、「新世紀創造主」は新世紀を創造するのだから、新世紀に入ってから現れるわけがない。従ってこの名乗りは新世紀以前にした筈である。つまりこれを叫んだ時はまだ世紀末だった。これを叫んだ頃、アニメ主題歌『TOUGH BOY』でTOM★CATは「時はまさに世紀末」と歌っている。これを信じるならば、カイオウの死歿は2000年末より後であってはならない。だからカイオウ死歿を2000年末とした。勿論、それ以前である可能性もあるが、それは以下の考察で調整することになる。
リンの成長
カイオウが「新世紀創造主と/なるのだ!!」と云ってから没するまでに一年も二年もかかったとは思えない。リンの髪の伸び工合*1から見て「第137話 若き狼の叫び!の巻」から「第210話 さらば愛しき者たちよ!の巻」までの期間はおよそ半年、四ヶ月から八ヶ月以内と推定出来る。假にカイオウ死歿=「第210話 さらば愛しき者たちよ!の巻」が2000年末ならば、「第137話 若き狼の叫び!の巻」はだいたい2000年の春頃の出来事である。つまりカイオウは「新世紀創造主と/なるのだ!!」と叫んでから長く見積もっても半年以内に死んでいる。読んでいる限りはひと月かふた月程度のような気がする。恐らくジャスクに捕まってから修羅の国に渡るまでが長かったのではなかろうか。
この頃のリンの身長は185cmのケンシロウと比較するとだいたい150〜160cm程度、およそ155cmくらいに描かれている。昭和四十七年〜平成十六年の『学校保健統計調査』によると、女児はだいたい十三歳で150cm、十五歳で155cm、十七歳で160cm程に育つ。勿論三十路を過ぎても150cmに至らぬ人はいるし、逆に十三歳に至らずとも160cmを超える人もあるが、リンは幼女の姿を描かれていて、その頃からの身長の推移を知ることが出来る。ラオウ様御帰天の頃のリンの身長はケンシロウと比較すると100cm程度、165cm程度と推定出来るユリアと比較すると110〜125cm程度、馬高200cm程度と推定した場合の黒王号と比較するとだいたい150cm程度、「第100話 あの日よりその悲劇は!の巻 」で188cmのトキと並んだ時はだいたい140cm程度あった。90cmなら五歳以下(つまり四歳くらい)、110cmなら五歳、125cmなら八歳、140cmなら十歳、150cmなら十三歳程度の身長である。
この90cm〜150cmの幼女が150cm〜160cm程度まで育つのにおよそ幾年かかるかを調べれば、リンの年齢とは関係なく「第136話 さらば強敵よ!の巻」から「第137話 若き狼の叫び!の巻」までの最短の期間が推定出来る。列挙すると
| 年内説: | 150cm-150cm: | 十三歳〜十三歳 | 二年説: | 150cm-155cm: | 十三歳〜十五歳 |
| 三年説: | 140cm-150cm: | 十歳〜十三歳 | 四年説: | 150cm-160cm: | 十三歳〜十七歳 |
| 五年説: | 125cm-150cm: | 八歳〜十三歳 | : | 140cm-155cm: | 十歳〜十五歳 |
| 七年説: | 125cm-155cm: | 八歳〜十五歳 | : | 140cm-160cm: | 十歳〜十七歳 |
| 八年説: | 110cm-150cm: | 五歳〜十三歳 | 九年説: | 125cm-160cm: | 八歳〜十七歳 |
| 十年説: | 90cm-150cm: | 四歳〜十三歳 | : | 110cm-155cm: | 五歳〜十五歳 |
| 十一年: | 90cm-155cm: | 四歳〜十五歳 | 十二年説: | 110cm-160cm: | 五歳〜十七歳 |
| 十三年説: | 90cm-160cm: | 四歳〜十七歳 |
が考えられるわけだが、さて何れが妥当だろうか。
空白の「数年」間は意外に短い
当然「年内説」はあり得ない。「第137話 若き狼の叫び!の巻」の冒頭にちゃんと「数年後…」と書いている。これを覆すわけにはいかない。
「十年説」「十一年以上説」「十二年説」「十三年説」もあり得ない。199X年に核戦争が起り、第一話がその一年以上後であることは間違いない。カイオウの死歿を2000年末に定めている以上、199X年+1年から2000年末までの十年間に収らねばならないのだ。従って「数年後…」は九年以下でなければならない。
リンの体格を見ると「八年説」と「九年説」もあり得ないことはないが苦しい。「第001話 心の叫び!の巻」の時リンは四頭身半しかなかったが、「第012話 悪魔の処刑!の巻」以降徐々に伸び、「第026話 南斗の男!の巻」辺りから五頭身半程になっている。何と「第100話 あの日よりその悲劇は!の巻」には六頭身半に描かれている齣さえあった。流石に六頭身半は考慮しなくてよいだろうが、四頭身半から五頭身半に伸びているのは確かである。頭の大きさに変化がなければリンの身長はおよそ15〜20cm程伸びている筈だ。これくらい伸びようとすると、幾ら育盛りの子どもでもおよそ二年はかかる。つまり「第001話 心の叫び!の巻」から「第136話 さらば強敵よ!の巻」までにおよそ二年は経っているわけである。「八年説」と「九年説」にこの二年を加えると199X年の核戦争からカイオウが死歿する2000年までの十年間を超えてしまい、核戦争が1990年以前のことになってしまうので、この二つはあり得ない。
同じ理由で「二年説」と「三年説」もあり得ない。「第137話 若き狼の叫び!の巻」以降のリンはおよそ八頭身の美貌である。つまり五頭身半から二頭身半伸びている。一頭身伸びるのに二年かかるなら、二頭身半伸すのに五年以上かかる筈だ。「四年説」でもやや苦しい。だから「二年説」「三年説」「四年説」は棄ててしまおう。
「五年説」と「七年説」が残ったがが、「七年説」も難しい。というのも、今度はリュウの身長である。リュウを七歳児以上と見るには、リュウが少々小柄すぎるのだ。リュウは大柄なラオウ様の遺児である。普通の子より大きくはあっても小柄に生まれることはないのではないか。『北斗の拳4 七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ』に登場したリュウもラオウ様似の巨漢だったし、コウケツも作中でリュウがラオウ様似であることを証言している。リュウの身長は恐らく平均を超える筈だ。だがケンシロウと比較するとだいたい100〜110cm程しかない。これは五歳男子の平均にほぼ等しい。物言いや行動から見てもリュウは五歳くらいなのではないか。他の可能性を考えても五歳以下はあっても五歳以上はないだろう。以上のことから「七年説」は否定せねばなるまい。
結論
以上で「第136話 さらば強敵よ!の巻」から「第137話 若き狼の叫び!の巻」までの期間がおよそ五年程という推測が立った。また、考察の過程で「第001話 心の叫び!の巻」から「第136話 さらば強敵よ!の巻」までの期間も二年程ということも判った。つまり拳王様御帰天は1995年、ケンシロウとリンの出会いは1993年、ケンシロウがシンに敗れユリアを奪われたのは1992年の出来事である。此処まで判れば原作中の時間の流れはおよそ掴めるだろう。年表製作も半分は終ったようなものだ。
次回は第一話以前、回想シーンの順序について考察してみる。