北斗の拳 蒼天の拳 DFS 北斗の庭園
週刊コミックバンチ 2009 No.16


週刊コミックバンチ 2009 No.16

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 多分武村さんは茂助を介してこの原作付作品を理解しようとしているな。茂助の顔が活き活きしてる。逆に他のキャラクタが未だ我が物になっていないのだろう、やや類型的、三十話までにはもう一人か二人、物にしたキャラクタが欲しいところ。
 最後の謙信、与六を殺そうとしているかのように見えるんだけど、これは態とだよね、きっと。

『北斗の拳 レイ外伝 蒼黒の餓狼』

 ユウ様がなんでこの街とみんなが好きなのかイマイチ理解出来ないが、それはそれとして、今回はみんな佳い芝居してたんじゃないでしょうか。ロフウが戦いだしてから絵が巧くなってきてますね。もっと早い段階(二巻くらい?)でこうなって欲しかったけど、それでも近頃はそんなに悪癖が気にならずに読めている。この人は多分ロフウとユダとリマが好きなんだな。ロフウとユダとリマが出て来ると活き活きしてる。

『花の慶次 ―雲のかなたに―』

 原御大の絵は『北斗の拳』の十六巻辺りと、『CYBERブルー』の前半辺りで二度完成し、『花の慶次 ―雲のかなたに―』でもう一段階ランクアップしたんだと思うんですよ。それまでの原哲夫漫画には餘り老人って出てこなかったのだけど、『花の慶次 ―雲のかなたに―』には、若水殿や今回のジイさん連中など、魅力的な老人が沢山出て来る。老人の顔を魅力的に描くのは難しくて、『北斗の拳』の頃はそんなに出来てこなかったのだけど、『花の慶次 ―雲のかなたに―』以降、原哲夫は老人作家か、と思うほど佳い老人キャラを量産している。犬飼様なんか堪らんよ。あの演技だけで犬飼様を尊敬出来てしまうよ。
 それに加えて今回は「美々しい罪人ども」が面白かったよね。蛮頭大虎なんて、普通の作家ならイロモノのコメディリリーフにしか出来ないし、「美々しい罪人ども」の集合写真にしても、珍妙になってとても説得力を持たせられないんですよ。特に頭頂にチョンと乗ってる兜が笑いを誘うんですよ。それが、笑いを誘う絵ではあるものの、説得力があるんだ。原御大が持つ最強の力は絵の説得力だ。あれが「美々しい」と説得されれば、読者は「美々しい」と説得されてしまう。
 増してや、河原田城攻めはラオウ様御帰天以降の原哲夫作品に於ける重要なテーマを含んでいる。「主人公に惹かれに夢を見た凡人」を描いている。『北斗の拳』でも、バット、アイン、シャチ、バランがそういうキャラクタだったし、『花の慶次 ―雲のかなたに―』においては村井親子はじめ、捨丸、岩兵衛は勿論、石田三成、今回の蛮頭大虎、雪乃丞もそうだった。多くの場合、凡人であるが故に破滅するわけだが、満足しているので怨みを一切残さない。『CYBERブルー』や『猛き龍星』の失敗はこれら「凡人」の不足が原因で、『花の慶次 ―雲のかなたに―』『公権力横領捜査官 中坊林太郎』の成功は権力に翻弄される「凡人」を巧く描ききった為だと儂は考えている。
 だから紅華会が倒れて以降「凡人」が不足している『蒼天の拳』は多少気がかりだ。原御大は「凡人」を描かせたら他の追随を許さぬ名人だから、是非ともこれからの『蒼天の拳』でも「凡人」が描かれるよう願っている。

『北斗の拳 ジャギ外伝 極悪ノ華』

 ジャギのトゲトゲってフドウだったのかーーーーっ!
 ジャギは鬼のフドウを目指して暴力を振うていたのだね。つまり鬼のフドウはジャギより悪かったわけだ。そりゃ鬼だよ、悪いなー、悪いよー、悪いですねー、フドウ悪すぎだよー。
 倒頭ケンシロウに負けちゃったジャギは「き…今日は/これくらいで/カンベンして/やらあ!!」と池乃めだか、それから五年も行方をくらますなんて、恰好悪いにも程があるな。いいよ、このくらい恥かかないと、あそこまで悪くはなれないわ。然しアンナもあのテンションで五年待てるんだから凄いね。イイコだよ。
 ほいで、あれって五年ぶりの組手でのことだったんだね。いや、違うかも知れないけどさ、そうとしか読めないわな。そして通説に逆らって「羅漢撃」は北斗神拳の伝統奥義だけど、「千手殺」は「有りもしない技を/…勝手に………」作ってたという超展開、ヒロモトさん絶好調だっ!
 ほてから竟に核戦争勃発、アンナは死んだんだろうなぁ、核ミサイルの直撃を食らったようにさえ見えるもの。北斗七星の方角から飛んできたと云うことは、矢張りロシアか北朝鮮のミサイルなんでしょう。『真救世主伝説北斗の拳 トキ伝』で云う「狂った独裁者」がプーなのかキムなのかは考えないこととして、アンナが寝転がって見られる北斗七星の位置から日時を推定出来るんじゃないかなー、と考えた。後日やってみよう。
 最後のページが堪らん可哀想だ。ジャギもアンナも誰も悪くないもんなぁ。強いて云うなら変な慈悲心出して羅漢撃を教えたリュウケンが悪い。他の弟子同様厳しくするべきだった。

Comment List

にくすかんぱーな

2009.03/23,(月)01:33 edi/del

大変楽しく拝見させて頂いております。
北斗西斗さまの掲示板では様々な質問に答えてい頂ありがとうございます。

>レイ外伝
見やすくなりましたよね。もともと絵は綺麗なんだけど、あまり動いてる感じがしなかったのですよね。

>凡人
快男児に振り回される人々はやっぱり痛快!凡人がいると分かりやすいです。「まさに漢」。
全然関係ないけど中国の大多数は漢民族らしいですが「漢」って普通の人なのだろうか、蒼天は中国で「漢」といてるので少し気になる。

ジャギのトゲがフドウのトケトゲがモチーフだったことには非常に驚きましたー、アンナには劇場版リンくらいの不可思議パワーで生きていて欲しいけど無理だろうなぁ。

>池乃めだか
これは思いつかなかった(笑)

>慈悲心出して羅漢撃を教えたリュウケンが悪い。
リュウケンはトキ外伝でジャギが災厄になることを予期してるのに放置してますもんね・・・。北斗の男達の悪行に走るのは8割がたリュウケンとジュウケイのお爺たちのせいなのではないかと思ってしまう。

マミヤさんの画像が非常にセクシー。サイト内の画像は物凄く上手ですね。でもプロ作家さんじゃなくてお坊さんだったんですか(プロフィール見ました)、そういえば以前、リュウケンが法名だと知っていらしましたが本職だったんですね。

愛忍者 URL

2009.03/23,(月)17:45 edi/del

>漢

 大陸ではCの頃、C帝室が異民族(女真族もしくは満洲族)であった為、「漢」は漢民族を貶す意味で使われていたようです。それがC末期、倒C復明運動(民族主義運動)が盛上がってくると、寧ろ「漢」であることを誇るようになって、佳い意味で使われるようになったのだとか。Cじゃなくて元だったかも。

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