北斗の拳 蒼天の拳 DFS 北斗の庭園
週刊コミックバンチ 2009 No.30


週刊コミックバンチ 2009 No.30

 『BTOOOM!!』は今週中にルールを明らかにしといた方が良かったんじゃないかなぁ。

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 この戦でしっかり鮮やかに上杉謙信を描くことが肝要、でないと世界観が狂うからね。『みどりのマキバオー』のカスケードのような退場を望む。あと読んでなかったんで知らないんだけど、『バリバリ伝説』の秀吉って良かったらしいね。

『蒼天の拳』

 実兄弟だったのかー。母親だったのかー。敢てユリアっぽく描いたのかな、適当に描いたらユリアっぽくなったのかな。今週もお話のボリュームは少なかったけど、拳志郎の前世は兎も角、母者、長兄、次兄ともに佳い演技で儂好み。ちゃんと四者四様に描き分けてて、それぞれの性格がきちんと出ている。

 儂が真言宗の坊主という立場を抜きにして、弘法大師は日本史上でも類を見ぬ天才であったと思うけども(南方熊楠がそれに次ぐか?)、それはそうとして、恵果阿闍梨が空海に法統を授けたのは、唐朝が物凄く不安定な時期で、青龍寺もいつどうなるか予測出来ない御時世だったから、というのもあるのよな。
 年号で書くと判りにくいからこの場合は西暦が便利だろう、つまり805年五月に空海は青龍寺を訪ねたのだけど、抑もこの頃の唐朝は安史の乱の後遺症で弱っていて、宦官政治が横行、地方の節度使も軍閥化して、国政は乱れていた。当然皇帝はそれを正そうとしていたのだけど、それもなかなか巧く行かず、特に805年は正月に徳宗皇帝が崩御して順宗が即位、然し順宗はすぐに脳卒中か何かで附随となり、八月に譲位して憲宗が即位するのだが、その八月に空海は伝法灌頂を授っている。市井の生活には餘り影響なかっただろうが、恵果阿闍梨のような国師となると、当然その影響は考えねばならない。多分、空海に伝法灌頂を授けることで、真言密教に保険を掛けたのだ。
 この後、幸い憲宗は朝威を回復させ唐朝中興の祖となるのだが、その平穏も長くは続かず、845年に武宗皇帝の命で「会昌の廃仏」が起り、唐朝の仏教は滅亡の危機に瀕し、唐での真言密教はこれで絶えている。もし空海が伝法灌頂を授らねば、真言密教はこれで完全に絶えていたところだった。ふぃー、危ない危ない。

 因みに作中には「青龍寺の恵果和尚/(真言密教の第七祖)」とあるが、所謂「真言八祖」の数え方には二種類ある。真言密教の法流の系譜を示す「付法の八祖」と三国伝来(インド〜中国〜日本)の系譜を示す「伝持の八祖」だ。
 「付法の八祖」は

一、大日如来
二、金剛薩埵
三、龍猛菩薩
四、龍智菩薩
五、金剛智三蔵
六、不空三蔵
七、恵果阿闍梨
八、弘法大師

 「伝持の八祖」は

一、龍猛菩薩
二、龍智菩薩
三、金剛智三蔵
四、不空三蔵
五、善無畏三蔵
六、一行禅師
七、恵果阿闍梨
八、弘法大師

 で、どちらでも恵果阿闍梨は第七祖、弘法大師は第八祖に数えられ、普通「真言八祖」というと「伝持の八祖」のことを謂う。「八祖大師」も「伝持の八祖」のこと。

Comment List

にくすかんぱーな

2009.06/30,(火)21:05 edi/del

>真言密教はこれで完全に絶えていたところだった。ふぃー、危ない危ない。
中国ではもう絶えてしまっているのでしょうか?中国で空海に知名度が気になってきましたが、中国では真言密教そのものに知名度が低いのかな。

>恵果阿闍梨
北斗世界なら予知能力を持ってそう。

愛忍者 URL

2009.07/01,(水)00:24 edi/del

 近頃になって真言宗の働きかけで観光地っぽく青龍寺が復興して恰好だけはあるけど、支那では九世紀に真言密教は絶えています。恵果阿闍梨は朝鮮の弟子にも奥義を授けているけども、これも確か李氏朝鮮の頃に絶えていて(韓国に古寺がないのは旧日本軍が…と月並みな批判をする朝鮮人が居るが、実際はそれ以前に廃仏運動があって自分で潰したんだよ)、今はわざわざ日本に伝授を受けに来ているんだぜ。
 因みに日本の真言密教は七世紀頃に成立したもので、十世紀頃に成立したチベット密教とは同根ではあるけど同じではないんだぜ。

 空海のあちらでの知名度はそんなに高いわけではないけども、全く無名というわけではなくて、字が上手かったからその道ではよく知られていると聞いた。日本人にとっての薛稷(書家)くらいの知名度じゃないかな。

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