北斗の拳 蒼天の拳 DFS 北斗の庭園
週刊コミックバンチ 2009 No.35


週刊コミックバンチ 2009 No.35

 『全能のノア』、ちゃんと面白いんだけど何か気に食わないなぁ、なんでだろう。
 あと山本会長は普段の主張の説得力を自らの作品で無にしていると思います!

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 北条氏康が格好良く描かれていて良かった!
 兼続が景勝を驚かせるシーンがホモっぽい(まぁ史実そうなんだろうけど)ことを気にしなければ、兼続のああいう論理展開は非常に兼続っぽくていいですね。「お前らの道具は茶道具か知らんが俺らは武具だ! 文句あるなら来いやコラァ!」と徳川に喧嘩を売れる兼続っぽさが出ている。彼我の戦力を考える前に観念、理念を優先しちゃう人なんだね。普通そんな人はすぐ負けちゃうんだけど、直江兼続は尋常でない才能があって、うっかり勝っちゃうんだ。窮極、同じく才能ある徳川とやり合うと、リアリストの徳川が勝つんだけど、生憎上杉家中には兼続より才能がある人が居なかったから、そんな無茶をしても勝てた。
 現実に居たら迷惑この上ないんだけど、見てる分には恰好良いのが上杉の家風で、そんな上杉家中にあって、こういう無茶を言う兼続は實に上杉らしいんだ。いいよ、兼続。

『北斗の拳 ジャギ外伝 極悪ノ華』

 ケンシロウが老けたーっ! アンナを看取ってから何日後だオマエ! 老けすぎだろ、老けすぎだろーっ!
 八悶九断の行が改変されたわけだけど、これでまた文句云う人いるだろうなー、別に原作が修正されたわけでもないのに、そういう区別が出来ない頭の悪いのが可成り沢山いるからなぁ。こういうのは「およそこういうことだった」と読めばいいんだけどねぇ。
 手前はリュウケンの「すまん/………」「………」「………/すまん」「すまぬ……/我が子ジャギよ」が良かったからいいよ。矢張りヒロモトさんは情念を描く人だね。物語を描くんでなくて、気分や感情を描く人なんだよ。
 勘違いしちゃいけないのが、情念を描くというのは物凄く論理的な作業で、作者が論理的でないとキャラクタの情念は描けないということだ。だから気分のままに描かれた『北斗の拳 レイ外伝 蒼黒の餓狼』の心理描写は支離滅裂だったでしょう。近年では『HUNTER x HUNTER』の「キルアは関係ないから」の行が凄かったなぁ、あんな心理描写、作者が論理的でないと絶対描けないもんな。
 本作は殆ど情念だけを描いた作品で、あの健気な少年だったジャギが歪むに充分な出来事をきっちり描ききった。物語に多少の綻びはあるが、要はジャギにとって北斗神拳がどういったものに「見えていた」かを描いているのであって、記録映像を作っているわけではない。あの荒々しい絵を含め、これはジャギの心象風景なのだ。
 ほんっっっっっっっっとにジャギは可哀想だなぁ。ジャギが歪む理由についてきっちり論理的に描かれていて、そりゃ歪むよ、と思うもん。ヒロモトさんは本当に、尋常でなく心が強い。普通、あんなに気を入れて描いたアンナを、あんな目に遭わせられないもんな、……うっかり書いちまった、駄洒落じゃないぜ。
 次回、いよいよ最終回だ。本作はほんとに先読みがし難い作品だったぜ。ヒロモトさんの台詞や絵のセンスが並外れているから、凡夫の我々には見通せないんだな。儂にはあんな犬描けないし、「極悪魔」みたいなフレーズも思い付かないもん。上巻の表紙も凄いよ。それで凄くジャギっぽい。ジャギを主人公にするだけでもアレなのに、内容がこれだもん、リュウケン外伝に続き本作も「怪作」と呼ぶに相応しい、素晴らしい作品であったよ。『北斗の拳』の外伝としてではなく、漫画として可成り好きだよ、儂は。

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TOM Mail

2009.08/02,(日)22:10 edi/del

いつもこのサイト拝見してます。

ジャギ外伝はホンっとに面白いですね。僕はジャギが一番好きなので、このまま終わってしまうのは寂しい限りです。
せめてジャギの死に際の心理描写とか見せて欲しいなあ。

愛忍者 URL

2009.08/05,(水)18:23 edi/del

 有難う御座います。
 ジャギが終ると本当に寂しくなりますなぁ。
 最終回はアンナの幻が再登場と予想。今際に再会出来たとかないと可哀想だもん。

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