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北斗の拳 蒼天の拳 DFS 北斗の庭園
世界は何ゆゑ核の炎に包まれたか

 『北斗の拳』の世界を滅ぼした核戦争の時期と理由について考察しています。


世界は何ゆゑ核の炎に包まれたか

メモ*1

終末戦争

 『北斗の拳』は199X年終末戦争によって文明が近世以前にまで退行してしまった世界の物語である。海が枯れたのだから当然海運などは不可能、少なくとも日本国に於いては新たな資源を入手する手段など皆無、輸入した燃料は使い尽されるのを待つばかり、移動や産業は家畜や人力に頼らざるを得ない状況である。その観点から見れば、発電技術を復活させたジャコウや農奴を確保し農業に力を注いだシンとコウケツらの政治的着眼は見事である。
 然し『北斗の拳』はこの様な状況を生みだした核戦争が何故起ったのかについては何も説明していない。最低限解るのはレッドベレーの上官である将軍の所為ということであるが、果たして元帥でもない将軍に核ミサイルを撃つ権限があったのだろうかという疑問が残る。中距離ミサイルなら兎も角、恐らく世界を壊滅させたであろう大陸間核弾頭ミサイルとなると、あのブタ将軍の責任ではないような気がする。一寸キレた大佐の妄想ではないかしら。
 終末戦争の名はハンが用いたのであるが、これを正式名として扱ってよいかはよく解らない。ただ、核戦争と云うよりもより終末戦争の方が名称らしいので、本稿では終末戦争で統一する。
 『世紀末覇王列伝』*2に拠ると、終末戦争は緊張関係にあったA国とR国による全面核戦争で、何と最初の攻撃で世界の主要都市の殆どが壊滅し、最終的な死傷者は全人類の九割に及んだと云うことである。戦略的にそのような事にあり得るのか大いに疑問であるが、他に史料がないので一応信じておく。
 A国とR国とは無論アメリカとロシアであろうが、此処に至ってまた一つの疑問が生じる。我々が知っている歴史では、アメリカとロシアの冷戦は1989年十二月で終わっている。故に当然の事ながら我々は世紀末を経て新世紀を迎え、機嫌良く…と云う程でもないが『北斗の拳』の人々よりも随分ましな生活を送っている。終末戦争には至らなかった。つまり『北斗の拳』の歴史から現実がズレた。

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aside

*1
2005/08/29.加筆修正
*2

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