リュウガって変な人よね
強いのか弱いのか曖昧だし
無駄に美男だし

北斗の拳 蒼天の拳 DFS 北斗の庭園
三十一篇全比較 14.天翔る天狼篇 105-109話(全05話)


三十一篇全比較 14.天翔る天狼篇 105-109話(全05話)

 リュウガは変な人だ。その不可解な行動故に北斗istの間でも長らくリュウガが何を目的に登場した人なのかは殆ど理解されず、単にトキを殺す為だとか、間保たせだとか、時には失敗作だとか云われてきた。儂はユリア再登場をそれとなく予告する為だと考えていたが、人に話すと後知恵だとかジャンプ漫画がそんなことを考えていたわけはないとか評判は芳しくなかった。然し北斗istでも知らぬ人が多いようだが『大阪芸術大学 大学漫画 vol.4』*1で掲載されたインタビューを読むと儂の説が正しかったらしい。

――当初、連載は3年と決っていたそうですね?
 ええ。編集部は、連載開始を渋ったくせに、約束の3年目がくると今度は連載終了を渋った(笑)。「ユリアを生き返らせろ」と言ってきたんです。車田(正美)先生の『リングにかけろ』あたりから始まった、例の、死んだ人間が生き返る「ジャンプ方式」ですね。僕は「それだけは絶対嫌だ」って言ったんですが、堀江さんに「オレがちゃんと1年かけて、ストーリーに不自然が生れないように伏線を張るから」って説得されて。

 どうも原御大が車田正美を軽蔑しているように読めるが、それは措くとして、三年目といえば連載開始満二年、丁度連載百回に差掛かる辺りである。リュウガはこの頃に登場し、死んだキャラクタだ。これでリュウガの登場目的は明らかであろう。間違いなくリュウガはユリア再登場をそれとなく読者に報せる為に登場したのだ。だからユリアの兄でなければならなかった。
 然しそれまで単なる美しい故人だったユリアがえらい出世である。リュウガは「この世の為」と割切ってラオウ様とケンシロウ、どちらが時代を担うに相応しいか比較する為に敢て狂気の殺戮に及ぶのであるが、これが後のラオウ様とケンシロウによるユリア争奪を兆すのなら、リュウガは明らかに「ユリアの為」の婿選びと「この世」の行く末選びを混同している。そして事実リハクやフドウはこの後のユリア争奪と「この世」の行く末を不可分に結びつけていた。
 この篇の物語は「ユリアの為」と「この世の為」を結ぶことではじめて理解出来るように作られている。逆に云えばリュウガが「ユリアの為」と「この世の為」を結びつけている。次篇以降でも「ユリア」と「この世」の関係は實は曖昧なのだが、リュウガ→五車星が「ユリア」と「この世」を仲介していたので、当時の読者はその曖昧な関係に殆ど誰も気付いていない。その割を食う恰好でリュウガの評価が曖昧になったが、敢て魔狼に落ちたリュウガである。抑も理解者を求めてはいなかった。「ユリア=この世」を誘導出来れば読者にすら理解される必要はなかった。

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aside

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