嗟乎、アムロ
トキが見える…!

北斗の拳 蒼天の拳 DFS 北斗の庭園
三十一篇全比較 10.拳王様御出馬篇 061-072話(全12話)


三十一篇全比較 10.拳王様御出馬篇 061-072話(全12話)

メモ*1

 拳王様がいよいよ御出馬なされる全十二話の一篇。これ以降が世間一般の『北斗の拳』だろう。『北斗の拳』と云えば拳王様!ラオウ様!である。
 連載当時は随分気を揉んで読んだものだ。アミバを斃すくらい迄は毎週安心して読めたのに、ウイグル獄長のネタフリが幼い儂には余程効いたらしい。蒙古覇極道以降ケンシロウの勝利を信じられぬようになり、どうなるんだ、どうなるんだと毎週気が気でなかった。そして読み進めれば、レイが敗れ、ケンシロウも圧倒されている。最後の最後でやっとトキの秘孔縛を破って引分けたが、ラオウ様はレイ→ケンシロウ→トキ→ケンシロウと三人相手に四連戦した後だった。次にケンシロウが一対一で戦うて、ラオウ様に勝つ保証はない。またウイグル獄長に続いてラオウ様も頗る恰好良い。如何にもケンシロウより強そうで、気付けばラオウ様が大のお気に入りになっていた。この頃は発売日までの一週間がえらく長かったなぁ。

続き

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  • 序:拳王軍の所業にレイ激怒
  • 破:ケンシロウの闘気で怯える黒王号
  • 急:トキが到着して竟に拳王様地に立つ

 序破急の三枚は何れも見せ場ばかりだが、誰が柱かは一見した処よく判らない。然しこの三枚は後の闘争と流血を暗示する「ヒキ」であることから、対拳王軍との初戦を描いていることもあるし、この一篇自体が以後の闘争と流血を示していると解釈出来るかも知れない。

  • 起:ラオウ様のこと→ユリアのこと→マミヤの死兆星→レイの死兆星→リンの意地
  • 承:デカいババァ→アイリの自立→ラオウ様の恐怖→ラオウ様対レイ→レイ敗北
  • 転:ラオウ様対ケンシロウ→ケンシロウ敗北→柔拳→トキ到着→リュウケンの死
  • 結:トキの力→トキ絶対不利→トキ覚悟→マミヤの危機→ケンシロウ奮戦

 トキがマミヤを死者であるユリアに似ていると検めて確認し、ラオウ様の強引な御気性とユリアとの関係を語り、マミヤに死兆星が見えると云えば、普通読者はマミヤの死にはラオウ様が関わると考える。その予想を確認するかの如くシーカー如きにマミヤはまるで無力、その危うげな有様に読者はハラハラ、更にレイまで死兆星が見えると云い出す。すると傷ついたバットをレイが保護、その頃アイリを庇いリンが健気に戦うていた。嗟乎、なんという緊張感、暫く連載が続いてちゃんとキャラクタがそれなりの数揃うてちゃんと立っていないとこんなお話とても作れない。本篇は『北斗の拳』中で最も多くのキャラクタに見せ場があった篇であろう。既に起だけで盛沢山、先づこの起でレイとマミヤの"死"が予告されていた。
 デカいババァの活躍でラオウ様の本隊が村に向こうていることが判り、村ではアイリが自立するもラオウ様御到着、レイは侵攻隊長を爆死させラオウ様に立ち向わんとするがリンに留められる。もう死の予感プンプンである。ラオウ様は頗る餘裕、挑み掛るレイは、憐れケンシロウが駆けつけた時には既に敗れていた。バットが震え上がって回想、新概念"気"が登場し、レイは覚悟して死を賭すも竟に敵わず今に至る。ケンシロウを留めるリン、然しケンシロウはリンを慰めラオウ様と対峙する。ラオウ様に一撃食らうも踏み留まって闘気を放ち、黒王号を怯えさせて成長を示す。この承で先づレイの死兆星が"消化"された。
 竟にラオウ様とケンシロウが拳を交え、ケンシロウがラオウ様に一傷負わせるも、實は目覚めたレイが放った矢に救われていた。ラオウ様は新血愁について語り、ラオウ様の力を知るレイはケンシロウを留める。するとラオウ様の拳がケンシロウの胸を撲っていたことが判明、ラオウ様は拳の質について言及、同じ頃、トキは烈闘破鋼棍相手に柔拳を実演していた。ケンシロウはレイの注告にも耳を貸さず尚も戦わんとし、黒王号の顔を殴打するも、トキが到着して一旦水入り、闘気が非情の血に基づくと説明され、リュウケンの死の真相を知る。この転では如何にラオウ様が非情であるかを説明している。
 ラオウ様と対峙したトキはケンシロウを秘孔で縛りラオウ様と対決、ラオウ様はすぐさまトキの力を悟り持久戦に持ち込む。トキは覚悟を決めてラオウ様に一撃を加えるも通じず今将に命運尽きんとした時、マミヤのボウガンがラオウ様を狙う。然し北斗神拳には二指真空把がある。レイはマミヤに愛を告げ留めようとするがマミヤはやめない。リンはケンシロウに懇願し、マミヤが引金を搾る。ラオウ様の手中で翻った矢がマミヤを貫かんとした瞬間、ケンシロウが秘孔縛を解いてマミヤを庇い、ラオウ様に再び挑む。餘りの凄まじき戦いに懇願したリンも耳目を塞ぐ有様、最後の一撃が互いの胸を貫いて、拳王軍は逃走をはじめた。トキが二人を引離し、ラオウ様はこれが戦いの始まりであると告げ、黒王号に跨り去った。この結では魂が肉体を凌ぐ様を描き、練気闘座での決着を暗に予告している。

aside

*1
2007,03/14.修正

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