週刊コミックバンチ 2009 No.15

 『ウロボロス』が半端だなぁ。作者はこの主人公をどう描きたいのだろう。主人公と副主人公が表裏になっている上に主人公の人柄も表裏になってるからスッキリしない。絵が重いテーマに耐えられてないってのもあるが、主人公の造形に魅力がないんだなぁ。
 『鱗粉女』は昔から少女漫画にある恐怖漫画の体裁なんだけど、いまいち表面をなぞったようにしか見えないなぁ。鱗粉女が怖くないのと、鱗粉女を呼出す合い言葉の出来がよくないのと、鱗粉女の噂が都市伝説らしくないので、ただのハートフル漫画にしかなっておらず、ハートフル漫画であるとすると恐怖体裁の鱗粉女が邪魔なんだ。これも絵が作品の設定に耐えられてないんだなぁ。
 今思うと『ムフロン』なんかはよく出来てた。第三話くらいまでは舐めてたけど、最後の方は結構楽しみにして読んでたもんなぁ。設定と合わない絵だったけど、絵の力はあったからなぁ。

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 こういう主従結縁のエピソードは大好きだ。戦後教育でなくなった曾ての美しい人間関係を顧うことが出来る。此処で「日本の…」とかいうと浅学がバレるからよくないぜ。洋の東西を問わず主従ってのはこういうもんなんだ。
 それと絵が原哲夫模写から徐々に武村勇治絵…つまり自分の絵になってきてて、これもよい。兼続が縄を切って茂助が「あぐへ!?」という齣と、志乃に花を渡す少女の造作は明らかに本人の素の絵だ。
 あとはガツンとインパクトのある敵役が出てくれれば謂うことはないなぁ。

『花の慶次 ―雲のかなたに―』

 儂、蛮頭大虎大好きなんだよ。全体の雰囲気がその存在を許してるけど、絵として見るとシュールなんだもん。それでいてギャグで済ませられない存在感、原御大ったらどうしてこんな造形が出来るんだろうなぁ。キャラの立て方が尋常じゃねぇよ、小池一夫だって此処までやらないもん。だから原哲夫御大が大好きだ。

『北斗の拳 ジャギ外伝 極悪ノ華』

 シン様だーっ! シン様の汗ダラダラの感じが良いですね。シンの魅力である心の弱さが出てる。
 いい時代になりましたね。ギャグでなく女の子が「アタシはジャギが好き…」って云える時代になったんだもの。そしてこのアンナがなかなかエキセントリックでよろしい。近くにいたら鬱陶しいだろうけど見る分には面白い女の子だ。漫画のキャラクタはこうでなくっちゃ。
 リュウケンが見てるシリンダーは何を溜めて「修行の成果」としているんだ? いやいや、それよりも上部に着いてる胸像が欲しい。成長に合わせて定期的に作り直したりしているんだろうか。気になるぜ。
 ラオウ様の「誰が/北斗神拳/伝承者かをね…」が前後の脈絡からラオウ様御自身を指しているのかケンシロウを指しているのか曖昧に読めてしまうのは狙っているんだろうか。普通に読めばラオウ様のことなんだけど、ジャギを揶揄する目的であるならケンシロウってことになる。でもこの時点でラオウ様がそう仰有るようにも思えないしなぁ……でも南斗十人組手の後ってことは、その可能性もないではないんだよなぁ……。
 面白いことに気付いた。あるキャラクタが誰かに文句を言う際に、ヒロモト様式美なのだろうか、必ず右腕をグッと構えてるよね。「それが/師父に対する/態度ですか!」のトキと「るせェーよ/トキィ!/引っ込んでろ」のジャギが同じポーズで喚いていて、次の次の齣ではトキとジャギが並んで同じポーズになっている。アンナが「コレ………/渡し損ね/ちゃったなぁ…」とキラキラを指で弄んでる絵から、ヒロモトさんは絵が巧い。キャラクタに自然な演技をさせられる人だ。だからこれはきっと様式美だろう。漫画を見易くする為のテクニックだと思う。でもこのポーズは面白いなぁ。舞台演劇のようだ。
 ケンシロウの頬を張るアンナの戦闘力は侮れないぞ、リュウケンにも気付かれず稽古を覗いてんだから。ケンシロウが手を抜いていることを見抜く眼力も素晴らしい。ってこれは野暮なツッコミかな。変と云えば変だけど面白いからいいや。
 そしていよいよジャギがケンシロウに負けちゃう! うっひゃぁっ! 此処まで積み上げてきたジャギが壊れる! 然もその切掛が好きなアノ娘だなんて、ヒロモトさんはなんて残酷なんだ! うああああっ、来週が待遠しいなぁ!

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