こんな何者だかわからない人の
感想なんてどうでもいいわ!

北斗の拳 蒼天の拳 DFS 北斗の庭園
才兵衛の感想
- Impression -

 当サイトの制作者愛忍者才兵衛が『北斗の拳』『蒼天の拳』関連商品に抱いた感想や思い出話を公開しています。勿論ネタバレあります。


週刊コミックバンチ 2009 No.34

 萩原さん眼病を患ってるって噂があるけど大丈夫なんですかい? この手の人らは揶揄されることはあっても餘り心配されないから気の毒だなぁと思う。江口寿史なんかもそうだけど、神経症的に絵を描く作家は真面目だから筆が進まなくなるんだよなぁ…。

『蒼天の拳』

 前二話が次回以降の雛形であるとするならば、劉宗武先生がそうであったように、テーマは「恨みを残さない」ってことなんだろうね。拳志郎は父母を恨んでいません、寧ろ…という会話が曾てあったから、そういうエピソードになるのだろう。
 それはそうとして、最後のページ、憶えているかい少年の日のことを温かいぬくもりの中で目覚めた朝をアムロ振向くなアムローと思うてしもうたよ。

『北斗の拳 ジャギ外伝 極悪ノ華』

 嗟乎、嬉しい、漫画読んでこんな嬉しいの久しぶりだよ!
 展開は性急ながら、これがジャギ外伝の味なんだよな。「救世主…」の行が理解されにくいかも知れないけど、あのモヒカン団も世紀末の荒野で怯えて暮してたってことなんだろうね、若い集団みたいし、刹那的に暴れて調子に乗ってても、外敵を怖れて救世主を待ってたんだ。
 ジャギにしても、北斗神拳で初めて人を殺して、「…オマエは……/もう……/死んでンだよォ/オォオ……!」と泣いた瞬間に、もうダークサイドに落ちてんだよね。リュウケンの禁だけがジャギを繋ぎ止めてたんだけど、その禁を破っちゃ、もう後戻りは出来ないんだ。そこから後は転落するだけ、また崇められたことなんてないから、コロッと親玉に納まっちまうんだ。ほんっとにジャギは可哀想だなぁ。なんか童貞喪失まで可哀想だもん。最後の「師父よぉ〜〜!!!」がまた効くわぁ。
 然し「恐るべき事が/おきましたあ!」って台詞は凄いセンスだよな。恐るべき事、なんて言葉、儂にゃあ選択できねぇぜ!
 それと土下座してたアイツは偉い。

週刊コミックバンチ 2009 No.33

 『コンシェルジュ』の骨董屋、なんで松本零士なんだろう、あんな骨董に縁のない人を……もしかして「貧乏」に掛けてんのか?

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 景虎の造形はイマイチながら「望郷」はいいね。こういう描写があると、どうせやられ役、というんじゃなく、人情が宿って、やられ甲斐が出て来るもんね。

『北斗の拳 レイ外伝 蒼黒の餓狼』

 なんかさっぱり意味が判らんかった。特にエバが死んだ理由がよく判らん。リンレイは、まぁ、判らんこともないとしても、エバが死なねばならん脈絡が、どうもさっぱり、とかいうより、エバの偉さが最後まで判らんかった所為でこのお話の筋がさっぱり理解出来んかった。
 思うに、最後にロフウをダラダラ喋らすくらいなら、それまでに回想を入れて読者に悟らせるような構成にしたほうが良かったんじゃないかな。それなら苦手なアクションの分量が減って、変な恥さらさなくて済んだんだよ。『北斗の拳』から例を引くと、ケンシロウvsファルコ戦だな、あれ、ケンシロウファルコパートと、ジャコウ一味パートと、リンバット(アイン)パートに分れてて、印象の割にアクションシーンが少いんだよ。練気闘座のラオウ様vsケンシロウ戦もそうだな。サウザーvsケンシロウ戦も案外少い。
 ロフウの回想で話を進めといたら、レイが変に浄化されて性格設定が原作と矛楯してしまう、なんてこともなかったんだ。ロフウが戦いながらレイの中に宿星を見出すような行でもあれば、レイを浄化しなくてもロフウが勝手に負けてくれるように仕向けられたんだ。多分みんな、あれだけ強かったロフウが負けるんだから、ロフウが負けてくれないと無理だよな、との思うていると思うよ。その言訳をどうするかってのが、腕の見せ所だったんだけど、結局なんでレイが勝てたのか、読返したって全く理解出来んようになっている。なんかユウ様が叫んだら勝ってた、という感じだ。ほんと意味わかんねー。

 あと、もう書くのも飽きたんだけど、最後だから書いとくよ。飛翔白麗を描く時になんでレイの顔を中心に据えるかね。その所為で折角大齣割いてんのにさっぱり技の威力が伝わらんのだが。描くべきロフウの傷口が見切れそうで、いよいよただのモンゴリアンチョップにしか見えてないよ。その後の齣の繋がりもグダグダで、ただただロフウが弱く見えた。ユダの前ではあんなに強くて格好良かったのに! というか猫井さんはユダ外伝を描くべきだったね。ユダは巧かったよ。美勇団も嫌いじゃないよ。特にフードかぶってた奴。
 最後の最後まで外伝として……ではなく漫画として出来の悪い作品だった。所詮同人作家なんてこんなもんだな。もう二度と同人出身の作家には期待しない。オタクどもめ、こんな作家が作った紙屑買って喜んでる癖に、商業誌に載ってる見られるレベルの作品は口汚く罵るんだから、筋が通ってねぇよなぁ。

週刊コミックバンチ 2009 No.32

 『コンシェルジュ』はいつもドギツい諷刺ネタをやるけど、今回のコレはまたいつにも増してドギツいなぁ。

『蒼天の拳』

 前回からのこの史実とのリンクは一体なにを狙っての演出なんだろう。思うに空海も信長も次なるエピソードの為の前フリで、これじたいは別に重要ではないのでしょう。でないと此処で史実とリンクさせる意味が解らない。
 但しこのビジョンがあることで、劉宗武先生がヒトラーの寝所に忍び込んだことや、ケンシロウがラオウ様と戦うたことに対する解釈が微妙に変ってくるので、それを意図してのことかも知れない。このビジョンが描かれるまで北斗神拳伝承者は「英雄の死」を司っていたが(だから劉宗武先生はヒトラーを殺さず、ケンシロウはラオウ様やカイオウを殺す)、前世の拳志郎は英雄を殺そうとしない。寧ろ守護しようとしています、と申している。多分、暗殺や謀殺からの守護であって、戦死や病死からは一切守ってくれないのだろう、それで信長の死もスルーなのだろうが、「死」と「守護」では大きく違う。きっと『北斗の拳』と『蒼天の拳』でいう「英雄」は同じ「英雄」でも意味にズレがあるのだろうね。これについては次回以降にじっくり考えよう。

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 儂は柴田勝家を「瓶割柴田」の逸話から古典的猛将として重厚な雰囲気でイメージしていたが、本作では単なる猪武者として使われており、残念、『銀河英雄伝説』なんかでもそうだが、旧世代の武人が醜く描かれがちな風潮は正直感心出来ない。我らは平家や木曾義仲、源義経、楠木正成、真田幸村などの敗者を美しく描いてきた日本人なんだから、餘り柴田のような敗者を戯画的に醜く描くのはよくないと思うんだ。
 それでも単行本弐巻以降の展開がやや冗長ながら、漸く物語が動き出しそうな感じなので、それは歓迎、然し謙信公病臥の件がナレーションで済まされたことも、少し残念、もっと印象的な演出が欲しかったなぁ。でも便所で倒れたっていうから、漫画にするには絵にならないし、避けざるを得なかったのかも。でも今までが冗長だった分、なんだか前回から急いでいるようにも見えてしもうていて、気がかり。

 処で今日、Amazonから参巻が届いたので読んだのだけど、バンチ掲載時は気付かなかったのだが、「父上は/この与六の/真の父か?」は實に佳い台詞だったんだね。バンチ掲載時に気付いてちゃんと誉めておくべきだった。
 だって与六は「真の父は樋口惣右衛門ではない」と聞かされて帰ったんだから、普通は「父上はこの与六の真の父ではないのか?」と書いてしまいがちじゃないか。それを「父上は/この与六の/真の父か?」と訊ねるんだよ? 「真の父ではないのか?」ではなく「真の父か?」である処に与六の惣右衛門に対する信頼が込められている。惣右衛門が嘘をつき通したいのなら仕方がない、という決意が覗いて見える。實に巧い。これが「真の父ではないのか?」だと惣右衛門より信長を信じたことになるし、惣右衛門が嘘を吐き通しても、痼りが残りそうだ。「真の父か?」だから、惣右衛門がどう答えようと、後でさっぱり出来る。このシーンは凄いよ。
 隆慶一郎の『一夢庵風流記』で密陽府使朴晋が「うちの弟に何をした」と訊ねたのに対して前田慶次郎が「うちの弟が何をした」と訊かなかったことに怒る件があるが(『花の慶次 ―雲のかなたに―』だと琉球篇にある)、この台詞はそれと関係があるのかも知れない。近頃は『NARUTO』程でなくても不自由な日本語を使う作家が多いものだから、たまにこういう佳い台詞を見ると物凄く感心してしまう。
 これが出来る作品だけに、上杉景虎や柴田勝家を凡庸な造形と演出で済ませていることが残念でならない。光る処があるだけに瑕が気になるのだ。

週刊コミックバンチ 2009 No.31

 山本会長、ほんとにこれの何処が面白いんですか?

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 斎藤実盛って確か若々しく戦う為に白髪頭を黒く染めた人だったっけ。平家物語だから木曾義仲と戦ったんだよね。木曾義仲の最期は項羽の模倣で、項羽はラオウ様のモデルのひとりなんだぜ。

『北斗の拳 レイ外伝 蒼黒の餓狼』

 なんか恰好だけ取り敢ず盛上げた、という感じで、実がないなぁ、リンレイ様の件が唐突すぎて儂にゃあ理解出来ないぜ。
 それにこの時点で義星の宿命に目覚めちゃケンシロウとの出会いに意味がなくなるだろうに、何やってんだろうね、ほいで原作から安易にサウザーを傷つけたシュウの蹴技を持ってきて、もう猫井さんにはがっかりだよ。
 あと最後のページで超常現象おこってんですけど、二段ジャンプて、『ドラゴンバスター』かい、ナムコかい、カブト割りですかい。『るろうに剣心』でも雪代縁がやってたけど、あの瞬間とてもがっかりしたことを憶えている。ありゃ駄目だったなぁ。
 この二段ジャンプも原作の安易な模倣なんだよね。どうせ飛翔白麗でしょ? 空中で出来るなら、なんでユダの時は水面でやったんだい、空中で出来るならあの状況でも困らんだろうがっ!

週刊コミックバンチ 2009 No.30

 『BTOOOM!!』は今週中にルールを明らかにしといた方が良かったんじゃないかなぁ。

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 この戦でしっかり鮮やかに上杉謙信を描くことが肝要、でないと世界観が狂うからね。『みどりのマキバオー』のカスケードのような退場を望む。あと読んでなかったんで知らないんだけど、『バリバリ伝説』の秀吉って良かったらしいね。

『蒼天の拳』

 実兄弟だったのかー。母親だったのかー。敢てユリアっぽく描いたのかな、適当に描いたらユリアっぽくなったのかな。今週もお話のボリュームは少なかったけど、拳志郎の前世は兎も角、母者、長兄、次兄ともに佳い演技で儂好み。ちゃんと四者四様に描き分けてて、それぞれの性格がきちんと出ている。

 儂が真言宗の坊主という立場を抜きにして、弘法大師は日本史上でも類を見ぬ天才であったと思うけども(南方熊楠がそれに次ぐか?)、それはそうとして、恵果阿闍梨が空海に法統を授けたのは、唐朝が物凄く不安定な時期で、青龍寺もいつどうなるか予測出来ない御時世だったから、というのもあるのよな。
 年号で書くと判りにくいからこの場合は西暦が便利だろう、つまり805年五月に空海は青龍寺を訪ねたのだけど、抑もこの頃の唐朝は安史の乱の後遺症で弱っていて、宦官政治が横行、地方の節度使も軍閥化して、国政は乱れていた。当然皇帝はそれを正そうとしていたのだけど、それもなかなか巧く行かず、特に805年は正月に徳宗皇帝が崩御して順宗が即位、然し順宗はすぐに脳卒中か何かで附随となり、八月に譲位して憲宗が即位するのだが、その八月に空海は伝法灌頂を授っている。市井の生活には餘り影響なかっただろうが、恵果阿闍梨のような国師となると、当然その影響は考えねばならない。多分、空海に伝法灌頂を授けることで、真言密教に保険を掛けたのだ。
 この後、幸い憲宗は朝威を回復させ唐朝中興の祖となるのだが、その平穏も長くは続かず、845年に武宗皇帝の命で「会昌の廃仏」が起り、唐朝の仏教は滅亡の危機に瀕し、唐での真言密教はこれで絶えている。もし空海が伝法灌頂を授らねば、真言密教はこれで完全に絶えていたところだった。ふぃー、危ない危ない。

 因みに作中には「青龍寺の恵果和尚/(真言密教の第七祖)」とあるが、所謂「真言八祖」の数え方には二種類ある。真言密教の法流の系譜を示す「付法の八祖」と三国伝来(インド〜中国〜日本)の系譜を示す「伝持の八祖」だ。
 「付法の八祖」は

一、大日如来
二、金剛薩埵
三、龍猛菩薩
四、龍智菩薩
五、金剛智三蔵
六、不空三蔵
七、恵果阿闍梨
八、弘法大師

 「伝持の八祖」は

一、龍猛菩薩
二、龍智菩薩
三、金剛智三蔵
四、不空三蔵
五、善無畏三蔵
六、一行禅師
七、恵果阿闍梨
八、弘法大師

 で、どちらでも恵果阿闍梨は第七祖、弘法大師は第八祖に数えられ、普通「真言八祖」というと「伝持の八祖」のことを謂う。「八祖大師」も「伝持の八祖」のこと。

週刊コミックバンチ 2009 No.29

 ペットものって案外面白いのだけど、『おすわり。』は作者の気が優しいのか、可哀想な動物を描き切れてないなぁ。絵がツルンとしてて犬が可哀想に見えなかったよ。こういうのは、描くのは辛いけど、もっとエグくしないと、お話に説得力が籠らないよ。

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 えぇーっ! 兼続つよっ! 兼続がこんだけ強いなら、あの佐渡のイロモノ武士はどれだけ強かったのか、それより強い慶次郎はどれだけ強いのか、それより強いカルロスはどれだけ強いのか、それと互角にやりあった与志郎は……、って、こりゃもう作品世界を繋げない方がいいよね。真っ新な気持ちで見よう、これは直江兼続のお話だ、慶次郎の家に捨丸居なかったし。
 それはそうと、三成の適度な弱さは良かったね。前回は強そうで、今回は明らかに弱い。そうそう、武士ってのは、基本的には強いんだよ、その前提があって、その中に序列がある。その中で三成の強さは下の方、というのがよい。勿論、史実の三成が弱かったとは思えないけどね。戦も下手じゃなかったし。
 あと謙信がもうすぐ死に行く人のように描かれていて良かった。もうすぐ死ぬんだよ、謙信。

『北斗の拳 レイ外伝 蒼黒の餓狼』

 この人やっぱり技の見せ方下手だなー、リンレイ様の技は下から描いた方が映えるよ、きっと。あとサウザーを横から描く奴があるか。これも下からあおれ。それとサウザー語りは一齣で済ませろ。ページ跨ぐ奴があるか。あとロフウの攻撃が効き過ぎ。レイが馬鹿に見える。それに食らいすぎ。前回の目覚めはなんだったのか。なんか腹立ってきた。
 最後のユウ様いつもと顔が違うね。なんかユウ様のキャラクタも嫌だなぁ。出しゃばりめ。

週刊コミックバンチ 2009 No.28

 う、うわあああああっ! この儂が!狼狽えている!

『蒼天の拳』

 うちのっ!

 宗祖がっ!

 弘法がっ!

 大師がっ!

 出てるっ!

 ちょ、長兄次兄がラオウ様とトキっぽくてジャギとキムさんやっぱり無視なんだね、とか気になることはある筈なのに、儂は狼狽えている。

 唐から三鈷杵を投げて和歌山まで届かせた日本初の強肩外野手がっ!

 應天門の表札の一画目の点を打ち忘れを筆を投げて書き入れた日本初のコントロールピッチャーがっ!

 岩を捩ることが出来る母親から生まれたっ!

 岩に手形を刻む程の剛力のっ!

 地面を杖で小突いただけで井戸を掘り当てる剛力のっ!

 佐伯さんとこの息子さんがっ!

 『蒼天の拳』に出てるっ!

 いや、空海が北斗神拳伝承者を日本に連れ帰ったことは知っていたが、まさか、顔まで描かれるとは!然もデカいっ!

 最後のはユリアの何かだろうね。

 因みに弘法大師が京から高野山に登る途中の宿にしていた河内長野の檜尾山観心寺には北斗七星の星そのものを弘法大師が勧請(神仏の霊を地上に呼び寄せること)して祀ったという塚がある。北斗七星を神として祀る例は他にも数多あるが、星そのものを呼び寄せて祀っている例は他になく、調べたわけではないが「唯一」とのこと。

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 うーん、今週はどう読めばいいのだろう……なんか気持ちがフラットだなぁ。

週刊コミックバンチ 2009 No.27

 なんだよ、近所に全然売ってないなーと思うていたら、月曜日にコンビニで発見。なんでだ。

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 やったー、ちゃんとお船様と結ばれてない説明がされてるーっ! 然も案外展開が早い! 水戸光圀の石田三成評が載ってるのもいいぞ! 但し光成の描き方がいまいち。少しキャラクタのバリエーションが少いかな。ビジュアル的にもっと弾けていいと思うのだ。

『北斗の拳 レイ外伝 蒼黒の餓狼』

 レムがサウザー指したのはさ、距離も近かったし、寧ろサウザーの餘裕が感じられてよかったんだけどよ、今回のロフウはだらしないだけじゃないか? それをユウ様が「がんばったら刺せた」とか、そういう問題じゃないと思うんだ。今後のレイの成行き(『北斗の拳』3巻)を考えたら、ユウ様殺しちゃった方がそれっぽかったしね。
 あと今回の冒頭、先週の末にあった方がいいよな。冒頭でいきなり負けそうって、どうなのよ。

週刊コミックバンチ 2009 No.26

 『蒼天の拳』一本は外伝や義風を足した三本分の威力と云うことか!

『蒼天の拳』

 リュウオウとシュケンの降天台説話の時もそう思うたのだけど、ローマ建国神話を思い出させるね。

 イタリアの都市国家の王プロカは王位を長男のヌミトルに譲って死んだが、弟のアムリウスが兄の王位を簒奪し、ヌミトルの男児は皆殺しにされ、娘のレア・シルウィアは処女であることを義務づけられるウェスタの巫女にされた。
 ある日シルウィアが眠っていると軍神マルスが降臨し、双子を生んだ。アムリウスは怒り双子を川に流す(『出エジプト記』のモーセを思い出すね)が、双子は軍神マルスが使わした狼の乳を吸い、啄木鳥が運ぶ餌を食うて生き存え、牧夫ファウストゥルスに拾われ育てられた。双子は狼の乳房(ルーマ)を吸うていたことからロムルスとレムスと名付けられた。

 リュウオウとシュケンも双子ではないものの双児ではあり、狼と係わることからロムルスとレムスの類話と見なしうる。そして今回のヤーマの子も、拳志郎とヤサカが同じシュケンの子孫であることを示されていることで、このロムルスとレムスの類話と見なすことが出来る。
 ロムルスとレムスは後に祖父ヌミトルと再会して(死んでなかったのか!)アムリウスを殺害、ヌミトルの王位を回復して母シルウィアを解放したが、新たな都市を建造する際に諍いを起こし対立、ロムルスは乱闘の最中レムスを死なせて(殺して?)しまう。
 記紀神話にある海幸彦山幸彦説話も同じような話で、多分モンゴルのテムジン(チンギス・ハーン)とジャムカの旧交などもそうだろう。およそ建国神話とはこのようなものである、という典型なのだ。『DRAGON BALL』のベジータもその典型に当て嵌まるだろう。リュウオウとシュケン、拳志郎とヤサカの関係も、ロムルスレムス型類話(兄弟相剋説話)の様式を引継いでおり、リュウオウとヤサカは恐らくレムスや海幸彦、ジャムカの憎悪を引受けて背負うているキャラクタなのだろう。
 因みにリュウオウシュケン説話は「カイオウ(琉拳)vsケンシロウ(神拳)」「カイオウvsラオウ様」という三つの双児形を為す三重構造になっており、その構造がややこしい為にやや重たく感じられた。今回の「ヤサカの先祖縁起」はこのやや重たい説話を「北斗vs西斗」「拳志郎vsヤサカ」の二重構造に再構成しているのではないかと思うが、その場合、『蒼天の拳』は如何にしてヤーマの子孫の憎悪を浄化するのであろうか。カイオウの場合はカイオウの血に対するコンプレックスを「實はリュウオウの子孫なんだよ」と説明することで浄化している。ヤサカの場合はどうなるだろう。普通に説明しただけじゃ余計恨まれそうな気がするなぁ。

週刊コミックバンチ 2009 No.25

 藤栄さん、絵柄は好みじゃないけどホント漫画巧いなぁ。

『義風堂々!! 直江兼続 前田慶次 月語り』

 矢張り来たか、拳語り。「黙れば腹が濁る」という台詞はいいね。兼続パンチの石灯篭を倒す威力の演出の方が派手だが、実際は柱を折る景勝パンチの方が強そうだ。家の柱ってどのくらいの力で折れるんだろう。

『北斗の拳 レイ外伝 蒼黒の餓狼』

 なんか勿体ないなぁ、折角絵が巧くて、近頃は表現力も身に付いてきてるのに、台詞の選び方やら状況説明やらが壊滅的に下手な所為でキメの齣で白けるんだよなぁ、「テメエの血は/何色だーー!!」の使い方が陳腐すぎて、あーあ、って感じだ。ヒロモトさんくらい言語感覚が壊れれば面白いんだけど、猫井さんは理性的にやってるから問題なんだ。読切りの時のチョコレートの件から一歩も半歩も成長していない。
 ほんと、勿体ないなぁ。

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